FXでの取引に於いて、まず大きなテーマとして言われるのが、EAを使った自動売買が裁量売買に勝てるのか、という話です。
どうしてもEAの「信用性」という意味では、まだ日本は黎明期にあります。諸外国では、EAを用いて継続的に資産を殖やす、というのはある意味当たり前のように行われていますが、日本では未だに裁量取引が最高である、という風潮が絶えません。
裁量取引の限界とは
裁量取引は、基本的に自分がインジケータなどを用いて、自分の判断の中でもって取引をします。
当然その為には、インジケータに単に頼るのでは無く、インジケータが何を参照にしてグラフなりなんなりを出しているか、というのを理解する必要性があります。
もしその理解が欠けば、インジケータが出す「ダマシ」に翻弄されて、狼狽売買を繰り返してしまいます。
勿論、インジケータはダメだ、というつもりは全くありません。優秀なインジケータを使えば、相場の方向性をしっかり掴むことが出来て、それだけでも勝率は随分変わります。
けれど問題なのは、日本、という時間帯なんですよね。冬時間であれば、値動きの出てくるのはまず早くても夜10時以降。ロンドンフィックスのAM1時までは、是非モニターに貼り付いていたいです。
しかし、現実問題それが出来る人がどれだけいるでしょうか。専業トレーダーであれば「当然のこと」でしょうが、翌日に会社がある、という方には、寝不足は厳しいはずです。
それらを解消してくれるのが、EAなんです。自動売買です。
相場に貼り付いていれば、そして優秀なインジケータを使っていれば、損失のリスクは少なく、かつ利益は大きく、という事が出来ます。
けれど実際には、自分が起きている時間帯だけがFXの取引時間帯ではありませんから、自分が見ていないうちにポジションが逆行する危険性が大いにあります。
スキャルピングの手法であれば、その日その時にポジションを持ち、寝る前に全部クローズしてから寝る、というのが一番リスク回避には良いです。
ただ、スキャルピングの手法を採用せず、かつ数ヶ月単位のスイングトレードでもない、いわゆるデイトレードに近い形なのが、一番危険です。
デイトレにあっては、その日持ったポジションを必ずしも強制損切り決済はしないケースが多いです。要するに、明日に持ち越す、というところです。
もし明日も同様に凪の相場が続くのであれば、ポジションを持ち越すことには特にリスクはありません。また、専業トレーダーさんで、常に相場を見ていられる人にとっても、このリスクは関係無いです。
あくまで、会社などで相場がチェックできない時間帯がある方、というのが、ここで言う「リスクグループ」なのです。
EAによる自動売買は、あなたの休んでいる時間帯に働きます。
割と最近の傾向ですが、ニューヨークが静かになる辺りから活動を始める「深夜型(日本から見てですが)」のEAが人気を博しています。
時間を限定することのメリットは大きいです。特に、相場に急激な変化をもたらす指標が一切発表されない時間帯というのは、EAが淡々と利益を積み重ねるのには向いている相場環境だと言えます。
逆に言うと、リスクを取って最大利益を上げたいのであれば、深夜型EAを動かしながら、日中・夜の指標関連で「賭け」ればいいんです。
ただそれって、投資では無くて寧ろギャンブルです。そういう投資スタイルも決して嫌いでは無いですが、安定性に欠けるので万人にお勧めは出来ません。
結局のところ、自分という人間も休息が必要です。
その為に、深夜型EAにジワリジワリ程度でもって利益を上げてもらう。それが、まずもって一番良いのでは無いかと思います。
人間誰しもそうですが、投資に成功して莫大な利益を得ました、けれど身体壊して病院代に全て消えました、なんて悲しい話ですからね。
是非身体を第1に、裁量取引は程ほどの時間帯で切り上げて、早寝して下さい。それでその寝ている時間はEAに任せましょう。